【関西から世界へ!】#06 C4U社「日本発のゲノム編集技術の産業利用を目指す」

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◆事業にかける想い

真下知士博士(現東京大学医科学研究所先進動物ゲノム研究分野教授)らが発明したゲノム編集プラットフォーム「CRISPR-Cas3」を用いた研究開発に取り組み、医療を始め各産業への社会実装を目指している。

社名は、「本発明を産業界に幅広く活用してもらいたい」という発明者の思いを表している。


【社名の由来】

◆起業に至る経緯

大阪大学発のバイオベンチャー企業として2018年3月に設立。現在の代表取締役社長 平井昭光は、ワシントン大学にてLL.M.を取得後、医学系博士課程に進学しヒトゲノムプロジェクトにも参画した経験を持つ。科学技術のバックグランドを持つ法律・知財の専門家として、ベンチャー企業の顧問・役員を歴任。複数のバイオテクノロジー企業等で役員として上場を果たした。当社代表には2020年8月に就任。これまでの経験を最大活用し、CRISPR-Cas3技術の産業応用に力を尽くしている。


◆ビジネスモデルとその特徴

当社は、大阪大学等から「CRISPR-Cas3」特許群の独占的実施権を取得し、その研究開発及び産業応用を進めている。自社で創薬プロジェクトを推し進めると共に、医療(医薬品・診断薬・遺伝子治療)、工業(バイオテクノロジー)、農業(動植物)、環境(バイオマス)等の企業に対し積極的に共同研究・技術導出を実施する。その結果として、様々な分野において社会貢献することを目指している。


◆強み・アピールポイント

「CRISPR-Cas3」に先行する「CRISPR-Cas9」はさまざまな会社が国内外で開発を進めており、CRISPR技術は各業界で注目されている。 「CRISPR-Cas3」は「CRISPR-Cas9」よりも大規模欠失が可能であることより遺伝子ノックアウトを得意とし、ターゲット遺伝子における塩基認識特異性が高いことよりオフ・ターゲット欠失誘導リスクも低い。さらに「CRISPR-Cas3」の基本特許はすでに日本および米国で権利化済みであり、当社は特許上のFTOも確保している。また、真下教授らが開発したCRISPR診断技術は、新型コロナウイルス等ウイルス系や食中毒菌等細菌系に対して、迅速かつ高い正確性の診断薬・検査薬の開発にも役立つことが発見され、利用ニーズはさらに高まりつつある。


【「CRISPR-Cas3」について】


【「CRISPR-Cas3」の応用例】


◆今後の事業展開、5年後・10年後の目標とするロールモデル

自社および提携先の創薬パイプライン開発、多くの企業との提携進めており、近年中に市場から幅広く資金調達できる環境を整え、「CRISPR-Cas3」のさらなる応用を進めたい。


◆今後新たに開発したい商材・サービス、拡充したい販路(ターゲット層)等

将来的には製薬会社を始めとする医療業界及び食品分野・工業分野のほか、各産業への販路を築き、社会貢献することを目指している。


◆提供サービスにおけるPR事項

「CRISPR-Cas9」の基礎研究を行ったジェニファー・ダウドナ氏とエマニュエル・シャルパンティエ氏が2020年のノーベル化学賞を受賞するなど、CRISPR技術は各業界でも注目されている。当社は「CRISPR-Cas3」技術にいち早く着目し、本技術の産業実装を行うため2018年3月に設立。主要特許の独占的実施権を取得し、研究開発を行う体制を構築した。


「CRISPR-Cas3」は「CRISPR-Cas9」よりも大規模欠失や安全性の観点でも優れており、特許権のFTOを確保している。今後、医療現場への応用のみならず、農業、漁業、環境分野等でも高品質な製品を創出することを目指している。


【C4Uの目指すもの】


【出典】

https://next-innovation.go.jp/j-startup-kansai/startup/


【企業HP】

C4U株式会社 (crispr4u.jp)