【関西から世界へ!】#03 glafit社「電動マイクロモビリティで新しい移動体験をお届け」

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◆事業概要

glafit株式会社は「移動をエンターテインメントに変え、人々の生活をより豊かにする」をビジョンに掲げて、電動マイクロモビリティを製造するハードモビリティベンチャー企業である。また、ブランドスローガンを「移動を、タノシメ!」として、開発・製造・販売・カスタマーサービスまで一貫して手掛け、自転車型電動バイク「ハイブリッドバイクGFRシリーズ」や、キックボード型の電動スクーター「X-SCOOTER LOM」を製造販売している。


中でも、代表的な自転車型電動バイクである「ハイブリッドバイクGFR-01」は、「人々の移動をもっと便利で、快適で、楽しいものにする」というコンセプトで造られた製品である。ペダルによる自転車走行と電力によるバイク走行の他に、自転車とバイクの両者を掛け合わせたハイブリッド走行が可能な次世代型モビリティとして注目された。2021年6月には、規制のサンドボックス制度を利用して、国内で初めて自転車と電動バイクの車両区分の切替えが国に承認された。モビリティの開発のみに留まらず、法整備等にも取組んでいる。


◆ビジネスモデルの特徴と強み

glafit株式会社は本社を構える和歌山県で、企画・設計・開発を行い、実機を造っている。電動マイクロモビリティ領域で開発設計を手掛けているベンチャー企業は、日本国内では極めて稀である。試作機を製造した後、量産することが決まれば量産設計に移行し、中国にあるサプライチェーン企業に部材を発注する。組立ては県内の企業と資本業務提携して行い、出荷の指示を出してお客様や代理店に届けている。その他にも地域のバイク店や自転車店にも卸している。ユーザーにダイレクトで商品を届けるチャネルとして自社ECサイトでの販売も行っている。


現在のユーザー割合は、半分が地方都市部で、もう半分が東京や大阪の巨大都市部である。首都圏には、免許を持っているが車やバイクを持たない、または持てない人が数多くいるため、そのような人にコンパクトで自転車よりも遠くまで移動できる新しいモビリティの選択肢を提供している。開発設計を独自で行っているため、国や人のニーズに合わせ、他社と異なる製品を生み出すことができるといった基盤を持っていることが最大の強みと言える。さらに、ユーザーからの視点でモノづくりをするこだわりを持つ反面、製造業者として製造工場を持たなければならない、または開発エンジニアとして全て自社の製品を使う必要がある等のこだわりを持たないため、柔軟に開発設計を行える点も強みである。


◆事業にかける想い

代表取締役の鳴海氏は、高校生の時にアパレルの個人売買で商売の楽しさに目覚める。大学卒業後は、自動車販売店RMガレージを運営する経営者となる。2008年に、貿易ビジネスを起こすために株式会社FINE TRADING JAPANを立ち上げた。創業時、株式会社フォーバルの創業者である大久保秀夫氏の『The 決断 決断で人生を変えていくたったひとつの方法』を読み、会社経営のスイッチが入る。後に、大久保秀夫氏に弟子入りを願い出て、徹底的に経営のノウハウを伝授する。指導の中で、「なぜ事業をするのか、事業を通してどうなりたいのか、100年後のビジョンは何か」等を考え抜き、「日本を代表する次世代乗り物メーカーになる!」ことを目標に掲げ、2012年に株式会社FINE TRADING JAPANの新規事業としてglafitを創設した。


創設時、自動車の開発に着手したが思うように進まず、改めてマイルストーンを練り直そうと考えた。自動車に関する歴史を学び直した結果、大手自動車メーカーが初めて手を付けたプロダクトは、自動車ではなく自転車にエンジンを乗せた自転車バイクであることを知り、glafitでもそれに習い、ハイブリットバイクを創ることを目指した。マイクロモビリティの市場が拡大する中で、外資のメーカー、特に電動キックボードや電動スクーターの世界シェア7割を持つ中国の企業が益々日本に進出し、さらにMaaS等に搭載されるようになると、日本国民の行動データが他国のサーバーを経由して管理されることになりかねない。サービスとしては日本の企業が展開しているが、日本中のハードが全て外国製に埋め尽くされていくという未来に疑問を持っている。将来的に国力を脅かされる可能性がある未来を防ぎたいと考え、glafit株式会社はこの領域の課題を確実に担っていきたいと思っている。


◆今後の事業展開

glafit株式会社はマイクロモビリティをさらに普及させることで、普通自動車未満の移動を快適にしたいと考えている。今後は移動距離に応じた乗り物のラインナップを随時増やしていく予定である。これらのラインナップを増やすことで、改めてまちが再編されていくことを期待している。国土交通省の調査によると、コンパクトかつスマートを前提としたまちづくりは徒歩圏内の500m~1000m程度とされているが、パーソナルモビリティを用いて、まちの回遊性や豊かさをさらに拡張していきたいと考えている。


1年前、マイクロモビリティ市場の創造面ではパートナーであるという共通認識から競合企業に声をかけ、日本電動モビリティ推進協会(JEMPA)という業界団体を立ち上げた。新しい市場を作っていく上で、法律面やまちづくり政策が最終課題だと思っている。しかし、法改正も今のまちに合わせる繋ぎでしかなく、最終的にはまち全体をアップデートしていく必要があると考えている。一番重要なのは、道路環境だと考えているため、今後は行政に対して道路の政策を提案していく予定である。


【X-SCOOTER LOM】


【glafitメンバー(写真:©河相裕之)】