Osaka (Osaka Prefecture and Osaka City)

【取材】シード期への投資に魅力を感じる。関西でやらない理由がない!

Interview
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2023年4月に東京から大阪に本社を移されたベンチャーキャピタル(VC)、ライトアップベンチャーズ株式会社の代表取締役 中村 忠嗣 氏に、シード期への投資の魅力や大阪への本社移転について、お話を伺いました。


 

- 2022年3月にファンド(ライトアップベンチャーズ1号投資事業有限責任組合)を設立された経緯を教えてください。

 

 新卒で2007年にベンチャーキャピタルに入社しまして、東京で10年ほど投資活動をしていました。ちょうど10年ほど経ったタイミングで、関西を担当する機会があり、東京ではシード期対象のファンドがでてきてマーケットを作っていたのに対し、関西ではそのプレイヤーがいないこと、スタートアップがシード期のファンドがおらず困っている状態を目にしたときに、必要性を痛感しました。組織系VCでは、敢えて早いフェーズだけに特化することは難しかったので、独立してファンドを組成しました。

 

 

-ファンド創設後、大阪・関西との関り、繋がり等はどのような感じでしょうか。貴社には昨年度、大阪府が共催したCVCとの交流会にもご参加いただきましたが、その中で関西のスタートアップや事業会社との繋がり等が増えた感じはありますか?

  

 そうですね。関西とのネットワークはまだまだ弱いところもあるので、ご挨拶も含めて、交流会等へ参加し、ネットワークを広げています。ファンドレイズもしながら、投資もしながら…という感じでやってきましたね。

自治体からは事業協力等のお声掛けも結構いただくので、できるところは一緒にやらせていただいて、そうした中で地域との繋がりを作らせていただいているというところです。

 

 

- 大阪に本社移転をされた理由をお聞かせください。

 

 前職の頃から、まだVCの入っていないところに出資をするのが好きで、自分がやりたいゾーンがシードフェーズだったという中で、特に関西はそのプレイヤーがいらっしゃらないということと、あとは、関西はマーケット的にも非常にチャンスがあると思っています。学生数も東京に比べても遜色ない、統計データを見てもVCの調達額はもっとあって然るべきだと思うし、自分の肌感覚もそうだった、やらない理由はない、ビジネスチャンスはものすごくあると思いました。

 人的なネットワークもそうですし、スタートアップとも直接お会いしないと関係をつくれないところも大きいので、実際に本社を移転してきてやるのは大事だと思っています。 


 

- シード、プレシートへの投資に魅力を感じ、惹かれる理由とは?

 起業家と特別な関係になれるところですね。

いろいろなフェーズに投資してきましたが、ご支援する内容も違いますし、実績がない中で0→1の投資をした起業家とは、投資後の関係が全然違うと感じます。これから!というフェーズでご支援することに喜びや楽しさを感じます。あとは人物の志の高さとかも大切で、一緒に志を持って失敗しないように伴走支援していくのが楽しいです。チームを作ったり、あぁでもない、こうでもないと仮説を立てたりすることにやりがいを感じます。

 

 

- 最後に、貴社が感じる大阪・関西の特色や魅力、今後の展望についてお聞かせください。

 

 オンライン会議等の多様化によって、東京にいなくてもチームアップや資金調達ができればそのまま関西でやるということもできると思います。また、大学のディープテックなどその場にいないといけないというスタートアップもあると思いますが、そのようなディープテックが関西には多いと思う、それが関西の魅力だと思います。

 今後、大阪・関西で起業される方々にとって、最初に出会うVCになりたいと思います。特に、特定の業界の課題にアプローチする起業家をご支援したいと思っていて、原体験とかその方ならではの、その方だからこそできる事業を応援したいなと思うところです。その中で志がある方と、一緒に考えていきましょう!という気持ちです。

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ライトアップベンチャーズ株式会社 代表取締役 中村 忠嗣 氏

 

2007年4月、新卒でVCへ入社。

キャピタリストとして、IT・サービス領域のスタートアップを中心に、バイオ・ヘルスケア、大学発VBをはじめとする産学連携領域への投資活動に従事。

銀行への出向や関西エリアの投資担当を経て、2022年、創業期のスタートアップへの出資、育成に特化した独立系ベンチャーキャピタル、ライトアップベンチャーズ(LUV)を設立。

立命館大学大学院経営学研究科修了。